海外CAD事情:upFront.eZine - Issue #342(日本語版)

May 26 2003  日本語版サイト  http://www.rrcorp.co.jp/

英語版サイト   http://www.upfrontezine.com/


今週号の内容:

*BIUCBentley国際ユーザコンファランスバルチモアで開催
- MicroStationの次リリース
- ESRIBentleyは連携を緊密化
- 他のニュース
- ブース訪問記
- バルチモアへの出張旅行

*AutodeskInventor Professional 7のリリースを事前発表

*エディタからの連絡

BIUCBentley国際ユーザコンファランスバルチモアで開催

Bentley International User Conferenceは年に1MicroStationユーザが集う場である。CADメディアからもルポを書くために数名が参加する。

5日間に渡って繰り広げられたイベントでは多くのことが発表されたが、重要な発表は私にとっては次の三つであった。

*今後予定されているMicroStationの二つのリリースの詳細。
*現在はオープンであるDGN V8ファイルフォーマットの配布を、OpenDWG Allianceが取り扱うという長い間待たれていた発表。Bentley幹部の一人は、名前が“OpenDWG/DGN Alliance”に変更されるかもしれないことを示唆していた。
*以前AutodeskCTO最高技術責任者であったJohn Lynchの“新しい”Bentley社員としての初めての公式な紹介。この宣伝効果は思ったほどでもないようである。Lynch氏はAutodesk5年前に退社し、独力でDesign Variations現在はもう存在していないを立ち上げたり、革新的な3D CADインターフェイスの開発に携わっていた。
<http://www.upfrontezine.com/1999/Upf-154.htm>

その他の事項:
Bentleyはトレーニングをサブスクリプションベースで提供。これによって、同社のサブスクリプション価格の50%という“魅力的な固定料金で実際上無制限のトレーニング”を受けられる。
MicroStationGeopakInRoadsMX、及びAutoPlantなどの150のユーザグループがBentley Communityの下に統合予定。

MicroStationの次リリース

MicroStation V8.2では、フィーチャモデリング、PDF生成、及びシート配置[レイアウト]、テキストスタイル、ビジュアリゼーション、寸法記入、などの機能改善、そしてDWG 2004読込/書込などの機能が追加予定である。今年の10月にベータ版を出し、来年1月に出荷される予定。

コード名がMozart というV8.2の次のリリースは、.Netプログラミング環境を使ったCADソフトウェアの内部システム変更を強調している。Bentleyはコンピュータのあるべき姿に関するMicrosoftのビジョンに同社自身をさらに縛り付ける道を選択することになる。

MicroStationユーザは、右クリックメニュー、エディットハンドル、キーボードとマウスボタンのカスタマイズ、プロッパティペーン、トランスパレンシー、リアルタイムズーム、再描画クリーンアップ、などの機能を聞くと多分大喜びであろう。問題は、2005年にMozartが出荷される前に、天敵であるAutoCADはこれらの機能を既に持ってしまっているであろうことである。

デザインファイルのサポートに関しては、パラメトリック関係、共有ファイル二人以上のユーザが同時に同一ファイルを編集できる)、ProjectWiseの機能改善、及びその他いくつかの生産性改善、などをMozartでは処理できるとBentleyは約束している。

V8.2Mozartは、不幸にも参加者からは離れて置かれていた。BIUCに参加したジャーナリストの一人であるMartyn Dayは、人が混み合ったレセプションホールでの“聴こえず、見えずのデモ”に対して、Bentleyに文句を言った後でMozartをやっと見れたと言っていた。同氏の言では、“MicroStationのインタフェースはAutoCADの斬新的なGUIよりもInventorの方に近くなるだろう。昔気質のユーザは、そうすべきと望むのであれば昔風のままで居られるだろう。”

参加者達はDWG 2004のサポートに対しては喜んだが、基本的にはAutoCAD 2004の出荷の10ヵ月後となるV8.2まで待たねばならない。CTOKeith Bentleyは、助けなしにDWGを読み解くことを困難にするように、Autodeskは相当の苦労を払っている。そして彼らはいかなる助けも提供しないだろう、とも同氏は付け加えた。同氏はさらに、Autodesk自身のビューア製品であるVolo View 2002Express ViewDWG 2004ファイルを開けないことを示し、一方MicroStation V8.1の修正版や無料のMicroStation Viewでもそれができることを示して声高に笑った。これはBentleyの勝利である。なぜならAutodesk2004 .dwg.dxf用の無料DWGビューアは提供していないのである。DWG2年毎に変更されるのに対して、DGNフォーマットは15年毎に1回しか変更されない[このことを私は知らなかった]ことをBentley氏は強調した。MicroStationユーザは今後15年間はファイルフォーマット変更に関して悩むことはない、と同氏は予告した。

Keith BentleyAutoCAD 2004を“マイナーリリース”と呼び、AutoCADのパスワードプロテクションを嘲笑した。同氏に言わせれば、AutoCADでは別のユーザが同じ図面をパスワード無しでも保存することを許しているが、それはMicroStation V8.1のデジタル版権管理に比べて遥かに劣ったアプローチの故にである。

Bentley氏は基調講演を、この15年間に渡ってCADの分野で同氏が学んできたことをリストアップすることから始めた。

AECの世界はハイブリッドである。
誰もが同じツールを使用することは起こり得ない。
*単一の巨大なデータベースに何でも格納することは愚かなことである。
*重要なことはカスタマイゼーションとアプリケーションに対する整合性と安定性である。
*ファイルはAECコンテンツの“通貨”である。CADの場合にはユーザは情報を処理している。内部的に、ユーザは次のことを行っている。、
 - 情報の管理
 - 情報のインデックス化
 - 情報の再使用
 - 情報の公開

外部的に、ユーザは次のことを行っている。
- 情報に署名をする自分の物としてマークを入れる)
- 情報の保護をするデジタル版権)
- 情報を伝える

ESRIBentleyは連携を緊密化

私はGIS分野を取り挙げることは普通しない。Adena Schutzbergが彼女の出している‘GIS Monitore-ニュースレターで良い仕事をしているからである。しかし今回のBentleyGISへの取り組み方に関する発表は非常に興味深く、おそらく互換性の無いシステムどうしが互いの関係を設定するモデルともなるであろう。非互換性、なぜならCADは建設されるべき静的な図面将来を取り扱い、GISは何がそこにあるか過去と現在を時々刻々に示す図面を生成するデータベースを取り扱う。すなわち、

Bentleyは地図データベースやその類のテクノロジーを提供もしていないし、その計画もない。”
Bentleyと業界リーダーのESRIは、“その場しのぎのフォーマット変換から脱却する”ために緊密な連携をとる。MicroStationSHPファイルを含むいかなるESRIデータタイプも変換無しに読めるように、ESRIArcObjectsテクノロジーを提供する。ESRIDGNの読込/書込用のAPIを取り入れる。
AECGISは非常に異なった技術アーキテクチャと実装のやり方を必要とする。”とGreg Bentleyは基調講演の中で述べた。“両分野において上手くやっている、もしくはやれそうなベンダーがあるとは我々には信じられない。Bentleyでは、そんな風車に突撃する気持ちは毛頭ない。”
IntergraphFRAMMEMGEMicroStation V8用にアップグレードする予定は持っていないので、BentleyMicroStation/Jの特殊版を提供して“今後も期間非限定でサポートを継続する。

Schutzberg氏のBIUCレポートは次のサイトで読むことができる。
http://www.gismonitor.com/news/newsletter/archive/052203.php

他のニュース

BIUCの間中、Bentleyの社員は“ライフサイクル”という言葉を多用したが、“プロダクト”とか“マネージメント”という接頭語は付けていなかった。彼らの意味するのは“設計−建設−運用”のライフサイクルである。Bentleyは、建設、土木、測量、及びプラントの4つの分野に注力することを最終的に決定している。建築の概念設計の分野ではNo.1の地位になった。これはどの分野にしろBentleyNo.1であることを主張できる最初のことである、とCEOGreg Bentleyは顔をしかめ気味に言った。なお、BentleyAEC/OAECOperartionマーケットではNo.2である。

基調講演の中で、Greg Bentleyは現在が経済サイクルの底であって欲しいと述べ、先週のデフレ発表にも言及し、我々はこれまでにあらゆる状況を乗り越えてきたとも述べた。Bentleyが計画していた株式上場に関しては、これまで17年間待ったのだから今しばらく待てない筈はないと同氏は述べた。

この12ヶ月の間に6つの買収をBentley Systemsは実行したが、買収はさらに続く予定である。同氏は財務的な数字をいくつか報告したが、私には良く理解できなかった。私が理解し得たのは、GAAP[generally-accepted accounting procedures]に基づく昨年度の収入が23,000万ドルであったことである。同社は先四半期では“2桁”の成長を成し遂げた。

次年度に関しては、Autodeskの総収入が落ち込み、Bentleyの総収入が増加するグラフを同氏は示した。Greg Bentleyの言を借りれば、“我々の主要な競合相手が2桁の落ち込みを見せ、その結果利益が無くなってしまう”こととの対照的な比較結果には誇りを感じる。これをもって“我々の世紀”と呼ぼう。

ブース訪問記

Bentleyの財務見通しが盛んである一方、展示出展者の数はと言えば結構少ない。Bentleyの巨大なエリアに圧倒されて、サードパーティーのブースはどれも小さく見える。

Matroxは二つの新しいグラフィックスボードを展示していたが、私はRon Bertyにその違いの説明を求めねばならなかった。基本的に64MB Pシリーズは上位のParhelia(US$399以上)の廉価バージョンである。P650 (US$169)は2ディスプレーを扱える。P750 (US$235)は3つのディスプレーとTV出力を扱える。新しいLCDモニターはベゼルディスプレーの縁取りが極めて薄くなっていることに興味を覚えた。これならば、ディスプレーを並べて使うのも実際的である。

ATInVidiaがトップシェアを目指して戦っているグラフィックスボード市場におけるMatroxの位置について、私はBerty氏に尋ねてみた。非上場企業のMatroxは、CAD/CAM、医療画像、デジタルビデオ、マルチモニターディスプレーなどのニッチマーケットに特化することを決定している。http://www.matroxcad.com/

Adobeのブースでは、Acrobat 6 が今月末に出荷されることを知った。
http://www.adobe.com/

FileNetという会社はドットコムが狂的に持て囃された時期からの生き残り企業かと私は思ったのだが、実はそうではなかった。もう15年位前からやっている会社だとRon Beckが説明してくれた。社名の変更を昨年考えたのだが、顧客はFileNetという名前を継続する方を好んだとのこと。率直に言って、同社のサービス内容を最初はなかなか理解できなかった。

FileNetは複数の情報貯蔵所を一つに集約する。彼らはSpicerCimmetryBentley SystemsSAP、及びESRIなどの他のベンダーと連携して、どのような種類の文書でも全社員に配布できるようにする。彼らのシステムはさらにドキュメント生成とワークフローを能率化させる。FileNetBentleyProjectWiseデータベースに入っているデータにアクセスするための“コネクタ”を有している。http://www.filenet.com/

Beck氏のプレゼンテーションの途中で、突然に火災報知器が鳴り出した。けたたましい音と点滅するストロボライト、それに自動音声アナウンスの組合せは相当のものであった。出席者達はこの壮観なマルチメディアショーに一瞬気を奪われてしまったが、すぐにもっと重要な自分達の会話の世界に戻った。すぐさま逃げ出すような弱虫とは誰も思われたくはなかったようだ。このけたたましい音と、ストロボの点滅、それに場内アナウンスが止むことなく続くと、群集の心理は変化し、人々は出口に向かって逃げ始めた。隣で行われていた信号系コンファランスのブースで煙が発生し、警報が作動したのだと我々は後で聞かされた。

バルチモアへの出張旅行

良い出張旅行になるときもあるし、酷い場合もある。バルチモアへの先週の出張旅行は、この10年間で私が経験した殆ど最悪の旅であった。私が予約したフライトはアボッツフォードブリティッシュコロンビア−カルガリアルバータ−トロント−バルチモア、そしてバルチモア−シカゴ−カルガリ−アボッツフォードというルートであった。私の娘ハイディも一緒に連れていった。

悪いことは初めから起きた。アボッツフォード空港の金属探知機を通るときに、私はキーそれに付属のペンナイフのことを忘れていた。金属探知機を通った2回目のときにSony Clieをシャツのポケットに入れたままにしておいたことも以前あったのだが。機内持込み荷物のX線検査では、爪切りを入れたままにしていたのが見つかった。

バルチモアで1日の予備日を作り出すために、カルガリからトロントまでは途中宿泊なしで行くことにしていた。もう2度とそのようなことをする積りはないフライトは3時間半だから眠る暇は無い。エアカナダは夕食を午前1(!?)に出すことにしているのだ。

トロントでは5ドル以上の物であれば何にでも使える5ドル引きのクーポンをエアカナダの社員が乗客にくれたので、我々は安い朝食にそれを使った。SARS防止のマスクを着けている人は誰もいなかった。

トロントからバルチモアへはDash-7小型のプロペラ機で飛んだのだが、飛行機の搭乗タラップの所で私の車輪付きスーツケースの機内持ち込みは断念せざるを得なかった。バルチモアまでの飛行時間2時間の間中、スチュアードは引っ切り無しに食べ物を我々に持ってきた。ビジネスクラスにいるような感じであったが、スチュアードはスプーンを持ち合わせておらず、ヨーグルトは食べれず終いであった。

バルチモアに着いてみると、私のスーツケースはそこにはなかったのだ。南部訛りのエアカナダ社員が貨物倉や機内のあちこちを探し回った。

バルチモア市内へ連れて行ってくれるドライバーとはエアカナダの手荷物受け取り場所で待ち合わせの筈であった。しかしドライバーは頭が回り過ぎて、カナダからの乗客はカナダで米国税関の手続きが終わっているとも知らずに、飛行機がトロントから来るので税関の所で待っておくべきだと判断していたのだ。手荷物もないまま30分も待たされた後、私は輸送会社に連絡を取り、やっとドライバーを見つけて貰うことができた。

Hyatt Regencyホテルには午前10時に着いた。チェックインするには早過ぎる時間であることは私も予想していた。受付での登録時に、部屋料が前払いになっていないと私は言われた。このホテルでは他の何名かの客に対しても、同じ間違いをしていたことを私は後で知った。チェックアウトの時点でもこの問題は解決されていなかったが、後で私は料金が無効であるというメッセージを受け取った。

バルチモアでの2日間は、着て来たものだけで過ごした。(私の娘は“王女様でいることは楽じゃない”という言葉が入った彼女のピンクのTシャツは私には合わないと思ったのだ。)着る物は大して心配しなかったが(いつでも買える代物である)、デジタルカメラ、Sony ClieCDプレーヤー用の充電池が無いということは、2日か3日も経てばそれらが使えなくなることを意味していた。

スーツケースは36時間後の、日曜日の夜に届いた。私はエアカナダに電話して、何故に飛行機のタラップから20フィートの位置にあった私のスーツケースが貨物室まで運ばれなかったのかを問い質したが、理由は分らず終いであった。

観光客のお目当て地”を考えるときに、かの有名なワシントンDC30マイル50Kmしか離れていない関係で、バルチモアは真っ先に思い浮かべる場所ではない。バルチモアの良いところは、Inner Harborを観光客向けに改装したことである。実際、このエリアはどちらが先かは知らないが、赤の舗装レンガが敷き詰められSydneyDarling Harbourを彷彿とさせる。

土曜日に、ハイディと私はInner Harborのあたりを散歩した。その後、4人の守衛に道を尋ねて、非常に分り難いコンベンションセンターにあるBentleyの閑散とした登録エリアに辿り着くことができた。

日曜日は10時半まで寝ていた。それから科学博物館へと出掛けた。展示品の一部が改装中であったため、入館料金は50%引きであった。私は名物には興味はないのだが、昼食はこの地方の名物である“クラブケーキ”を食べた。ハンバーガーのようなものだが、中味は蟹の肉で、レモン汁とマヨネーズも使われている。夕食はUnoで食べたが、私の頼んだ野菜の中に長く太い黒髪が1本入っていたので、料金から5ドル割引であった。

国立水族館にも出掛けて、イルカのショーを見て、The Cheesecake Factoryで夕食にした。メニューが22ページもあった。サーモンはUnoよりもましであった。

Hyattホテルをチェックアウトするとき、陽気過ぎるホテルの従業員が今日はどこに行くのかと尋ねた。“アボッツフォード”とだけ私は答えた。普通は“バンクーバーの近くの”と言い添えるのだが。彼女は当惑した感じで、“えっ、アボッツビル? ニュージャージーにあるの?”

写真集

Bentleyの副社長が、私が今週撮ったバルチモアの写真を見たいものだと言っていた。私の娘は自分の写真は載せないでくれと言い張っていた。この両方のリクエストを念頭に置いて、以下にバルチモアで撮った黄昏時のInner Harborの写真を紹介する。
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二つの近代高層ビルの谷間に古いバンク・オブ・アメリカのビルがひっそりと見える:
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100年前の発電所がブックストアとレストランに改装:
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発電所のブックストア部分の内部に古い煙突:
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港に停泊している歴史的な船の中に古い灯台連絡船があった:
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薬物撲滅キャンペーンの“Believe”垂れ幕がビルを飾っている:
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たそがれ時のワールドトレードセンターのbase
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最後に紹介するのは、国立水族館の熱帯雨林展示会場へ上がるエスカレータ上にいる私の娘の写真:http://www.upfrontezine.com/pix/BIUC03/IMG_7361.jpg

AutodeskInventor Professional 7のリリースを事前発表

AutodeskInventorの“高価格”バージョン、Autodesk Inventor Professional 7、を6月に出荷するという事前発表を行った。ターゲットは、機械設計、3D配管処理、3Dチュービング、電気機械設計、及びPCB[プリント基板]レイアウトなどである。今年後半でのアップデートにはワイヤー・ハーネスとケーブルデザイン、配線設計が追加される。

価格に関する質問に対しては、CEOCarol Bartzは“1モジュールに付き500ドル”とはならないと言うだけで、明確にはしなかった。この考え方は、Dassault Systemes がより高価なSolidWorks Office パッケージを持っているのと同様、Inventorのより高価なバージョンを“高く売りつける”ことにある。Autodeskは潜在顧客に“Inventorでは肝心なことができない”とは間違っても言わせたくないとしている。

Bartz氏の言によれば、車体と機体以外の“その他すべて”に関して、Pro/E CATIA 5と同等なパワーをInventorに持たせるのが狙いである。名前に“シリーズ”が付いていないことから、Autodesk Inventor Professional 7AutoCAD 2004Mechanical Desktopは含まないと私は推測している。

AutodeskCEOが報告したところによれば、Autodesk Inventor Seriesは先四半期430日〆7,300の商用シートが販売され、競合のSolidWorksは辛うじて6,043であった。このコメントはAutodeskの第1四半期コンファランスコールの時のものである。

その他の興味ある事項:AutoCAD 2005が来春出荷予定で、AutoCAD 2000は今年の秋でストップされるアップグレード価格は適用除外されるのではというアナリストの推測を、Bartz氏は特に否定することはなかった。

AutoCAD LTの価格はこの夏に再び上げられる予定であるが、ヨーロッパとアジア太平洋地域では価格は異なる。LTの価格が連続的に引き上げられることによって、IntelliCADVdraft、及びFelixCADなどの低価格競合品が潜在顧客にとって魅力を増すことにAutodeskは力を貸すことになる。

中国でのSARSによって、今四半期の売上げは700万ドルの減少を被るだろう。Autodeskは相変わらずサブスクリプションプログラムの会員数を明らかにしていないが、アナリストはそれが1012%であろうと推測している。2004年第1四半期の収入は、前四半期の19,550万ドルから21,100万ドルに増加したが、前年同期の22,930万ドルよりは少ない。第2四半期の収入は2700万ドル〜21,200万ドルと予測されている。

US Bancorp Piper JaffrayGene MunsterAutodeskディーラーを調査した結果では、顧客は急いで購入する気配は見せていないようである。”これはAutodeskが公表しているAutoCADの新規とアップグレード販売数にも示されていて、AutoCAD 2004の出荷が始まる前の四半期の数字の方が良いという結果になっている。

Mac OS X用のRevitに関する言及はなかった。
<http://www.bluelinedesign.net/forum/viewthread.php?tid=7>.

エディタからの連絡

BIUCレポートが長くなったため、今週号には他のレギュラー項目は掲載していない。

長い間upFront.eZineをスペイン語に翻訳してくれていたエディタのClaudio Jose Maccioが身を引くことになった。同氏は次のように言っている。“今日、アルゼンチンでは状況が難しくなっている。仕事の環境は悪化している。日に日に給料の目減りが続く中で、以前よりも精を出して長時間働くことが要求されている。この国の経済状況は良くなく、失業率は20%を越えている。

私がやったこと[upFront.eZineの翻訳]から、本当に非常に大きなことを得ることができたと思う。CADソフトウェアのニュースには今後も注意を払っていく。英語読解力が上がったことは自分でも分るが、何よりも貴誌の優れた論説とオピニオンを読む楽しみを得て、学べたことが一番であった。”

upFront.eZineのスペイン語版のエディタを引き継ぐことに興味ある人は、私宛に連絡をして欲しい。<editor@upfrontezine.com>

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